プログラミング教育?
プログラミングについて、学校教育が「論理的思考を育成するため」ということで取り組みを始めるらしい。
だが待て。
ある論理が成立するためには、その基盤となる「ルール」と「前提条件」が必要だ。
プログラミングにはプログラミングのルールがあり前提条件が置ける。だから論理は成立し「解」が求められる。これは数学の問題と答えの関係と同じだ。
一方、現実の社会には、ルールも前提条件も複数存在する。
それら複数のルールや前提条件から、その状況に対して最適と思われるものを選んだ上で、論理を展開する必要がある。
ところが「ルールや前提条件を選ぶためのルールや前提条件」は存在しない。
それはどこかに規定されているものではなく、自分の頭で考えて判断しなければいけない。
そしてそれら複数のルールや前提条件は、相互に整合性を持っているわけではなく、偏ったり矛盾したりもしている。
この時重要になるのは、情報量と思考力、そして人間性だろう。
間違っても「思考力=論理的思考」ではない。論理的思考は思考力の一部でしかない。
・考えの背景に置く常識や一般論は何か
・大事なもの/守るべきものは何か
・誰が味方で誰が敵なのか
・時代/性別/立場/年齢/業界/経験値/利害、、、等々
どれもプログラミング的=数学的なアプローチだけでは解決出来ない。
だが実社会の課題に対する論理的思考のためには、これらの中からルールと前提条件を考えないと話が始まらない。
プログラミングは数学的であり、それが故に正解/不正解が分かりやすく採点しやすい。
しかし、本当に大事なものは「採点しにくいもの」の中にあると思う。
教育は採点するためのものではなかろう。
そういった「採点しにくいもの」に目を向けず、「プログラミングで論理性を身につけた」と思ってしまうのはとても危険だと思うのだが、如何だろう?
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