ゲームソフトの品質や納期
システム開発に於いても、他の業種と同じく「納期」は重要だ。
一般的な法人とのシステム開発契約では、顧客側からの条件として、あるいは業務上の日程都合(決算時期等)によってサービスイン日程(新システム稼働日程)が設定され、これが事実上の納期となる。
ところがゲーム開発に於いては、販売業者(パブリッシャー)側がリリース日程を指定しない限り、サービスイン日程に制約はない。
顧客である購入者/プレイヤーが
リリース日程を指定することはあり得ないからだ。
つまり
開発/販売側の都合だけで、
リリース日程を自由に設定することが出来る。
「顧客から納期を指定されることがない」
これは一般的なシステム開発に関わる者からすると、
天国のような話だ。
しかし、このようなゲーム開発でもリリース日程の遅れが多発する。
遅延の原因は色々あるのだろうが、「顧客の無理な要望」が原因でないことだけは明らかで、つまりほぼ全ての場合において遅延の原因は開発/販売サイドにある。
・テスト不足による不具合だらけの状態でリリースしても、
・リリース予定日直前になって「よりよい品質のために」という
決り文句のアナウンスをするだけでリリースが遅延しても、
顧客が怒ったりしない(たとえ怒ったとしても痛くも痒くもない)世界っていいよなぁ、、、
と思ってしまう。
では、何故このようなことになるのかと考えてみると、
原因は契約の形態にあるのではないか?
と思う。
一般的な、法人を相手にしたシステム開発の場合、簡略化して描くと下図のようになる。
※複数の開発業者によるプロジェクトや、2次請け3次請けについては割愛している
そして、ここで不具合が発生すると、、、、
ところがゲームの開発・販売では、次のようなケースが多い
※全てがこうだとは言ってない。拡大解釈しないように。
「開発業者は、販売業者の下請けではない」
ってところがポイントだね。
そして不具合が発生すると、、、
メッチャ楽。
・最終顧客である個人は、不満を言い騒ぐことくらいしか出来ない。
・実質的にノーリスクで販売出来るし、対顧客リスク無しで開発が出来る。
・法的なリスクは、販売会社が決めた販売契約がガッチリ防いでいる。
※事実上、顧客(個人)による対抗は不可能
この問題に対して、
一定のプレイ時間内での返品・返金に応じているのが
Steamである。
ゲーム販売を事業のメインに捉えた業者さんは、やはり顧客の保護を考えるものなんだね。
S◯NYさんとかも、そういう顧客保護対策をもっと進めて欲しいものだと思いますし、
開発業者さんも自社でコントロールし得るリリース時期だの品質だのについては、もっと責任持って取り組んで欲しいと思います。
顧客側も、ただただ手を合わせ、ありがたがって製品(ゲーム)が提供されることを祈るという姿勢は、改めるべきことだと思うよ。
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