ハラスメント?
ハラスメントの定義について、いくつかの大学のHP等を見て驚いた。
そこには多くの場合、次のような要件が盛り込まれている。
・言う側/やる側の意図や意識とは関係なく成立する
・受け手が不快感等を感じれば成立する
・受けてに明示的な拒否の意思表示がない場合でも成立し得る
これ、おかしくないか?
字義通り解釈したら何でもかんでも「それ不快です」と言ったもん勝ちの話になるぞ?
会社側が新人をどこかの部署に配属して、本人が「ここいやです」と言ったら?
当初の部署(「いやです」の部署)への配属を命じたらハラスメントになるんだよな?
本人が不快に感じないように希望部署に配属しなきゃいけないんだよな?
同僚に「いい天気だね」と声をかけて、その同僚が「あなたに声をかけられるのは不快だ」と感じたら、それはもうハラスメントになるってことだよ?(「業務上必要と判断されない内容の声掛けを行い相手に不快な思いをさせた」ってことになるんだよね?)
部下が仕事でとんでもないミスをしても、部下が不快になるような叱り方をしたらダメなんだよ? とんでもないミスをした部下本人が不快に感じない叱り方をしないとハラスメントになるんだよ?
これはもうあれだ、早いもの勝ちだな。
- 配属指示する前に「ここいやですとかとか言ったら嫌だからね!」と先に宣言する。
- 「いい天気だね。嫌がったりしたら不快だからね!」と先手を打つ。
- 「俺の叱り方に文句つけたら俺が不快だからな。」と叱る前に言っておく。
「そんなの極論だ。馬鹿だろお前。」とか言わないように。
極論で馬鹿な例えなことくらいは分かって書いている。それくらい馬鹿げた話だと言っている。
だが「不快だ」と言った側の都合だけで物事が判断されるなら、これらの話も通るはずだ。
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「ハラスメント」は、本来「嫌がらせ」だ。
やられる側の「不快の明示」があり、それを無視したやる側の「行為の継続」があって、初めて「それは嫌がらせだ」と第三者的に断定出来る。
不快か快適かは人(受ける側)の感じ方によって異なる非常に主観的なものだ。
予め予想はできても断定など出来まい。
例えば部下が「部長、さすがですね」と言っても、部長側の感じ方は色々だろう。
それを嬉しく思う上司もいれば、「こいつは俺のことを馬鹿にしてるな」とか「こいつは俺の機嫌を取って取り入ろうとしてるな」とか考えて不快になる上司もいるだろう。
少なくともそう感じることを第三者は否定出来ないし、その上司(部長)が不快に感じたらその時点で「部下の上司に対するハラスメント」が成立する、ということだ。
だがそれはおかしいだろう。
部下が「部長、さすがですね」と言い、部長が「ありがとう」なら常識的に問題ないだろうし、部長が「やめてくれ」なら、部下はやめるべきだろう。
では部長が「やめてくれ」と言っているのに「いやいや部長ご謙遜を。やはり部長はすごいですよ!」と続けたらどうなるのか? これはハラスメントが成立してもおかしくない領域に入るのだと思う。(これもどうかと思うが、理屈としてはそうなるのだろう。)
※「部下から上司にハラスメントとかおかしい!(下から上へだから)」と言う人も中にはいるかもだが、「◯◯ハラスメント」は「上司→部下」「年長→年下」「男性→女性」というような方向性が決められたものではない。
大学は客商売にでも走っているのか?
「弱者保護」は大事なことだが、無闇矢鱈に弱者を作り出してそれを擁護するのは、一種のマッチポンプだろう。
「受け手が不快に感じる⇒即ハラスメント成立」などという定義は、とっとと消えて欲しいと思う。
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