「風ノ旅ビト」というゲーム

2013年の秋、たまたまWebを見ていて目に止まったのが「風ノ旅ビト」という名のゲームだった。

特にゲームが好きというわけではなかったが、「言葉は使わず、オンラインで出会う世界の誰か一人と砂漠を旅していく」という内容と、GDCで6部門を制覇したという異例の記事内容に惹かれて、手元にあったPS3でダウンロードしてみたのが事の始まりだった。

最初はわけが分からなかった。

何の説明もなく砂漠にポツンと一人。

どっちに行くべきか、何をすべきかも分からなかった。

不意に同じ姿をしたキャラクターが現れた。
親しげに近づいてきてポワポワ(という音とマークのようなものだけ出せる)と語りかけてくる。
「これがオンラインの誰かなのかな?」と思いつつ、なぜか「付いておいで」と言われたような気がして彼(彼女?)に付いていった。

いくつもの世界を駆け抜け、ポワポワと分かったような分からないような不思議な会話をしつつ、最後の目的地に到着して「もうお別れだ」と理解した時には泣いていた。


「いや、ゲームだし。なぜ泣く俺(笑)」と思いながら泣いていた。

それから一週間ほどして、PS3にメッセージが届いていることに気づいた。
一週間前に届いた英語のメッセージだった。

正直それまでPS3をちゃんと触ったことがなかったので、メッセージ機能があることさえ知らなかったし、見知らぬ海外の方から英語のメッセージをもらうなどという事も初めてで困惑した。

 

「Hi companion :) Thank you for journey. See you :D」

 

届いたメッセージには、短くこう書いてあった。

「"Journey"ってことは風ノ旅ビト?こないだ最後まで案内してくれた相方の人か!」

まさかゲームで巡り合った相手(しかも海外の方)から、メッセージが届くなんて思いもしなかった。
そしてとてつもなく嬉しかった。

 

文字チャットも音声チャットも無く、ただ「ポワポワ」としか言えない状況で1時間~数時間程度を一緒に旅する世界にスッポリとハマった瞬間だった。

 

それから何人もの方と旅をしていると、時々信じられないほど優雅に高く飛ぶ人に出会った。

 

「自分も飛びたい」

 

だがゲーム自体に飛び方の解説は無く、日本国内にも情報が少なく、どうしたら飛べるのかさっぱり分からなかった。「ひょっとして動画とかあるかも」とYoutubeを検索していくつかのHowTo動画を見つけ、飛べるようになった。

「高く飛ぶのは気持ちいい!」

さらに深くこのゲームにハマった瞬間だった。

 

それから飛ぶことが好きな仲間も出来、いわゆるRTA(リアル・タイム・アタック。ゲームをいかに速くクリア出来るかという一種の競争。海外では「Speed Run」とも呼ばれる)にまで手を出してしまうわ、Youtubeに動画をUPしてしまうわ、ニコ生等で放送まで始めてしまうわという暴走振りで今も暴走し続けているという有様なわけです。

人によっては「雰囲気ゲー」の一言で済ませたり、飛び方が分からないので「ただ歩くだけのクソゲー」と揶揄する人までいるけれど、他に類の無いゲームなので、PS3/PS4をお持ちの方には是非一度プレイしてみることをお勧めします。
ダウンロード販売のみですが、価格も1,200円くらいでお手頃。

 

この作品、日本人の感性にとても合ったものだと思うのだけれど、なぜかこういうゲームは出てこない。それがとても残念でもあります。

 

もしも既にプレイ済みで、飛び方とか裏世界とかがよく分からないという方は、こちらの記事のコメントに質問下さいね。

 

あとYoutubeにHowTo動画とかも上げていますから、こちらも参考にどうぞ。

http://www.youtube.com/c/sekigokurakuin




思ったことなど置いてみる

隻(seki)といいます。 上級システムアドミニストレータ。バイク好き。写真好き。 バイクはYAMAHA TRX850。 カメラはOLYMPUS E-M5

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